ザ・天竜川

2008.08.14 Thursday
 最初は「いくら鮎竿貰ったからって、ムリムリ」とツレなかった鮎釣りの先生・ヒラちゃんだが、二度目の訓練(?)後から「ちったぁ根性見せてみろ、次はまた引き抜きの練習、その次は瀬で釣る練習、そのまた次は・・・」と生徒の了解も無くスパルタ強化カリキュラムを組み立ててくれた。
 えぇ〜松川も阿智川、和知野川ももうダメ?だから天竜川?私が??ムリムリっ、てだからさぁー、・・・と言いながらもサイフの中の千円札を数枚数えて横によけ、これはサイフを落としたつもりで・・・とまったく意味の無い言い訳を自分に向かってしつつ、鮎竿とウエーダーを車に積み込む私なのだった。


 前夜に愛ちゃんから電話があって、「鮎またやるの?」という会話になり「うん行く予定、これがたぶん今年は最後だしなぁ(金もないし)」と言ったら「明日休みだからそっちへ(釣りに)行こうかな、と・・・」と言うので「んじゃぁ一緒にやろうよ、鮎!教えてよ(笑)大勢いたほうが私のダサさが目立たなくて良いじゃんね」
 と言うことで、私のお盆休みは天竜川で鮎釣りである。

 寝ても覚めても頭の中から遠山川の瀬音が離れない愛ちゃんが、貴重な盆休みに天竜川へ行くなんて、誘っておいてなんだが、意外なんである。よっぽどヒラちゃんからヤレヤレ言われて困ってたんだろうなぁ。・・・でも愛ちゃんはしばらく鮎竿を持っていないとは言え、地元長良川や吉田川で鮎釣りしてたんだから、素人さんじゃないんである。
 糸忠さんでオトリと年券を購入し、いざ川へ。


 引き船もタモも無かった私だが、ヒラちゃんから「使ってないの3つもあったよ」と引き船を、「洗った方が良いと思うけど」とヤニ色に染まったタモを提供していただいて、とうとう川に入るにはナントカなる状態に。
 しかし眠い。・・・毎年盆前に入り盆明け出しの仕事をかかえているので、お盆に遊んだことなんてここ数年無かった私、ムリヤリ段取りをつけて出てきたのであんまり寝てないんである。
 大丈夫か!?これで天竜川なんて入っちゃって!・・・無理しなんでおこう。


 「オマエたち二人が入るには・・・う〜んあそこか〜。」と入った所は通称、明神。車から川までがムチャクチャ近くてサイコーなんだけど、水際には河原が無く、ヨシをかきわけいきなり川にドブンである。
 しかし毎度この中腰でのオトリセットはしんどい。タダでさえ竿なんて触ったのは40ン年間で数回の私、この長いもんを担ぐだけでえらいこっちゃ、なのだ。
 しかも私が入るということで、楽な場所を選んでくれた(らしい)のだが、この水深でさえ体が押されてふらつく程の天竜川の押しの強さ。・・・でやっぱり、鼻カンは通らないし(TT)・・・
くっそ〜〜〜〜
 今回は私の柔らかい竿ではなく、先生の歴戦の刀・・・じゃない竿をお借りした。この竿は胴調子で、鮎も育って大きくなった今の天竜川には不向きだが、それでも私の竿と比べると感触は硬いので、オトリ操作も取り込みも楽(なはず)。
 聞けば先生、この竿で鮎を年に1000本以上討ち取ったらしい。・・・・お盆だしちょっと手を合わせとくか、南無阿弥陀仏・・・。

 なんてやってるうちに愛ちゃんはもう掛けてるじゃん。で、取ってるじゃん!・・・くっそ〜〜〜〜
 って横見てる場合じゃないじゃん、こっちもキタキタ〜!!

・・・ってウグイじゃん(しかもチッチャ・・)・・・くっそ〜〜〜〜

愛ちゃんの鮎キャッチの模様はこちらへどうぞ♪
 ええい仕方ない、こんなドンブラコの川で動きたくないけど、もっと前に出ないと・・・あのヘンにオトリを・・・しかしここで掛かっても歩けないぞ!川!
 ヒラちゃん:「オ〜イ、そこはそっちが一番流れが強いんだぞ〜こっちでやれ、こっち」・・・
くっそ〜〜〜〜
  
 そんな真ん中まで渡って行けと?
 戻ってきてくれたヒラちゃんが「ポイントまで連れてってやるから、オレの下流を歩け。」・・・くっそ〜〜〜〜「なに?」いえいえ。なんでもありません。

 しかし岸から20メートルも行かないうちに、このごろちゃんと寝ていない私は体力ゲージが15/100くらいにダウン。息が上がってゼーゼーの私は「せ、先生ちょ、ちょいと休憩。」
 川の中を歩くってけっこうハードなんだよ?しかも瀬の中じゃなくったって天竜川だし。
 「そっか、仕方ねぇなぁ、んじゃちょっくら親とってくるか」と今日は竿を持たないはずのヒラちゃんは思い出の竿と引き船を持ち、止める間もなくザバザバと遥か沖合いへと歩いていく。顔は笑っていたように見えるし、足取りもウキウキと軽く見えるのは気のせいだろうか?
 ふと後を見ると、方や愛ちゃんは岸辺に座り込んで頭を抱えている・・・いや、寝ている・・・。
 川で竿を持たずに寝る愛ちゃんなんて・・・
よっぽどつまらないんだな・・・
 そして今日は竿を持たないはずのヒラちゃんはあっという間に豆粒くらいの姿になり、川の中で腰を据えている。

 ・・・で、こんな中途半端な場所で竿も持たずに仁王立ちの私って何?

 と憮然としていたら今度は愛ちゃんが後ろからザバザバとやって来て何を言うかと思えば
 「ちょっと竿持ってて」 って何でよ!?
 竿だけ持ってたって引き船はヒラちゃんの腰なんだよ!!・・・そして私はオトリのついていない竿を持ってまたもや、仁王立ち続行。


 どいつもこいつも、一体何なのよー!!!・・・くっそ〜〜〜〜。
 
30秒で親を取って戻ってくる予定のヒラちゃんの竿は依然として撓らないし、とりあえず一度消えて戻ってきた愛ちゃんに竿を返し、上半身だけをひねって回りをぐるりと見渡し、一・二分考えた後で三回深呼吸を繰り返して私は岸までの単独帰還を強行、いや決行!
 
 ・・・怖いよ〜!行きはヨイヨイ帰りは怖いってこのことね。深さはせいぜい膝くらいなんだけど、転んだら間違いなく流れていくであろう流れの強さ、オマケに底石はつるんつるんで私のシューズのフェルトには鋲が無い!
 壊れたロボットみたいにぎくしゃくと川を横切って進む私の両足の間を、大人の男のゲンコツ大ほどの石がころころと流れて行く。よろけて思わず強く踏み込んだ足の下の川底の砂利が大きく掘れて流れて行く。
 竿も引き船も持っていないと言うのに、わずか10数メートルの距離のなんと長いことか・・・(涙)なんとか渡り終え、思わず岸辺のヨシを掴んだとき、心からホッとした。


 な〜んてやっているうちに時間は既に昼を回り、愛ちゃんの頭も‘鮎釣りはもう御馳走さま’モードに。「ちょっと遠山見てこようかな。」素直に竿出してくるって言えば良いのに。「いやもちろん竿は出すけど。」そう頑張ってね。やっぱり鮎に浮気は出来なかった真面目な愛ちゃん。立派だねぇ。

 と、いうことでこの日の釣果はウグイが一匹(数えるな?オホホ)、愛ちゃんは流石、5回も掛けてバラし(糸切れで野鮎を二匹流し)、本人曰く「マイナス一匹。」そんなんあり??

 それにしても今日はなんだったんだ。いくら寝不足とは言え、川の中でただ動けなかっただけの私、
 
釣り以前の問題じゃん!!
 愛ちゃんを見送りいくらか不機嫌な顔の私に竿頭(ちょいと竿を持って4本)のヒラちゃんが「明日はもっと緩いところやるからな〜」

 ・・・!!??あるんですか!?そんなところが!!!

 でも愛ちゃんならあの台城でもヘッチャラだったろうし、真ん中をとってここ・明神でも川に慣れた愛ちゃんにしてみたら面白くなかったかもしれない。私に合わせてくれたことはよくわかる・・・でも・・・

 その「緩いところ」に先に行きたかったよ〜!!!・・・くっそ〜〜〜〜。


愛ちゃんの釣行記
川で遊ぼう
じねんのことはり