オトナの釣り大会

2008.05.24 Saturday

 先日の釣り大会で、久々に竿を振り回し川で魚(って放して貰ったヤマメだが)を釣った子供。
 釣り上げたヤマメをろくすっぽ見ずに、ひたすら川に向かって竿を振っていたので
 「釣りしてて何が面白かっただ?」と聞くと
 「魚がかかったとき!」
 マズイ。アレ(釣り大会)が釣りってもんだと勘違いされたらマズイ・・・・・
 「今度はさぁ〜、普通の釣り(?)に行って見ようか?あのねぇ、実はね、最初なんて、何にも釣れないのが普通なんだよ」
 と我らの場合はその通りなんだが、じゃ何が目的なんだ?と行く気を失わせるような話を子供に振ってみる。
 「うん、いいよ(釣れなくても)」
 えっそう?
 じゃ、行って見ようか!また同じ川だけど(笑)
 一週間も経っていればあの時のヤマメもみんな釣られちゃってるだろうし、雨も降ったから同じ場所にはいなさそうだし、でも去年の6月のまっぴるまにイワナ釣った川だしもしかしたら何か釣れるかも!

 ・・・ということで朝6時に出発。
 「誰か川にいたら『すみません、どの辺に入ったらお邪魔になりませんか』って聞こうね」
 だって怖いんだもん。川で会うおじさんって何故か皆ヤン○ーがオトナになったみたいな人ばっか(子供談)で、顔もメガネも黒くてそれで・・・(汗)
 誰か川にいたとして、その人が見えなくなる下流まで行けば竿出しても怒られないかしら。
 でもそんな所まで行ったら車置けれんじゃん(歩けって!)。
 とそんなクダらん会話をしながら車で川沿いを行くと・・・・あれ?
 先週も見たようなトラックが。・・・・・あの荷台に乗っているのは水槽じゃないですか(汗)
 あれ?確かに大人の釣り大会があるって聞いてはいたけど明日じゃなかったの????
 誰もいないウチにちょいとばかり川で遊んで帰ろうなんて思っていた私たち、途方にくれつつUターンしようと車を駐車場に入れると、釣り大会でいろいろお世話になったオジサマが向こうから歩いてくるではないか。
 「ど〜も〜、おはようございますぅ・・・・・えへへへへ」と曖昧に笑いつつヘンな挨拶をする私。
 大人の釣り大会は有料なんである。日程は聞いてなくてもそこだけはしっかり聞いていた私。
 「釣り大会って今日だったんですね、知らなかったので・・・今日は普通に釣りしてみようかな〜なんて思って・・・」
 とヘンな笑い顔で訳のわからない事を言う私の胸のウチを見抜いたのか、オジサマ
 「そうか、じゃ今日は俺がお嬢ちゃんの分、出してやる。せっかく来たんだからいっぱい釣ってきな」
 いやそんなわけには。本当にいいです、いいですって困りますあの・・・・
いえではありがたくやらせていただきます。
 と、いうことで(どういうことで?)初参加大人の釣り大会。
 前回お世話になったお兄さんや塩島さんにも再度ご挨拶。
 しかし、前回とまるで雰囲気が違う。走り回る子供もいず、ものものしい?格好をした釣り人が次々と川へ下りていく。
 「みなさんがスタンバイしたら、空いてる所にコソっと入ろうね」
 とキンチョーする親子。
 のそのそと川へ下りていくと、堤防の上に並んだギャラリーの中からお兄さんが
 「塩島さんが、早く入らないとって気を揉んでいるぞ〜!」あ、すみません。ご心配おかけして(汗)
 「あ、どうも、でもできるだけ人のいない所に・・・」って川、おじさんでいっぱいじゃん!(涙)
 怖いよ〜・・・・(大泣)。
 「どどど どうしようか。あっちまで行こうか」と遥か彼方を指差す私に子供「え〜〜〜〜っ」。
 ふと上を見ると堤防のお兄さんが手を振って目の前を指し、ジェスチャーで『そこでやれ、そこ!』って言っている。
 だって『そこ』っておじさんとお兄さんの間7、8メートルしか空いてないよ〜。『いいからそこ入れ!!(と手をブンブン)』は、ハイ。

 おじゃまします・・・と頭を下げても誰も見ちゃいないわけで、もうみんな真剣である。
 とりあえず前回の仕掛けでやろうね。巻いてあるから竿に・・・・・竿に・・・・・・・
 どうしたの?え、やる以前から絡まっちゃってとれない?(大汗)

 ウレタンに巻いておいた仕掛けが解けずに、まごまごしていたらジェスチャーお兄さんが見かねて(イライラして?)降りてきてくれた。
 食い込んだ仕掛けを解きながら「こういうの(仕掛け巻き)も売ってるから、買っておいた方が良いよ。」
 これとは別に、納豆パックの蓋で作った仕掛け巻きがあるんだけどそっちに巻いとけばよかった(だから買えって!)。

 激しく出遅れてやっとこ竿を振り出した子供に、お兄さんが魚の付き場を教えてくれる。
 さ〜て、今日は自家消費のみだからそんなにいらないよ、でも周りは鬼武者みたいな人ばっかだし魚はみんなそっちへ行っちゃうんだろうな・・・・
って仕掛けそっちへやっちゃだめだって、あ!
                   あ〜あ・・・・・・・隣りのおじさまの竿に(脅)
 すみません申しわけありません、あ、そうですね私は触らない方が。
 この間は子供だったしお互い様だったけど、今日は誰も笑わないからこわいよー!!
 ・・・でも、やっぱり、釣れる。
 これはまるで・・・そうかアレだ、渓流釣り堀・・・でも何度か行ったことあるけど今日のほうが釣れてるかも(いっぱい入れてるからなんだろうな)・・・。
 朝のキップの良いオジサマが来てくれてご自分も竿を出しながら魚のいる場所を教えてくれる。

 さて、今日は本当は釣れない釣り(?)の筈だったけど、こういうことなら『釣った魚を川に帰す為の練習その1』、
 ●釣った魚のハリは素早く上手に外す
 とりあえず釣ったオマエやってみ、ホレ。・・・・・・って両手で掴んでどうやって外すんじゃい!
 ハリを指でつまんで必死の子供。ビチビチと必死でもがくヤマメ。
 ・・・ハリはますます魚の顎の中に食い込んで内側の皮を縫っていく・・・あぁ 血も出てきた・・・。
 ・・・・・見てられません(ヤマメが)。
 私がもし生まれ変われるとしても、このヤマメにはなりたくない。
 放すか、シメルか、さっさとしてくれ!・・・って思ってるよね・・・。
 マァ今日は両手で持ったところまでにしとくか。
 じゃハリは母が外すから自分でビクに入れてね。よしよし、そうそう、ホッ。
 子供の手袋は剥がれたヤマメのウロコでギランギランである。
 「おかーちゃん・・・顔にウロコが(ついてるよ)・・・」ひぇぇぇ。
 と、そんなことをずっとやっているので写真は撮っている暇、無し。

 そのうちに、魚をかけて仕掛けが切れてしまったので、昨夜眠い目をこすりながら結んだハリスをくっつける。
 さぁどうかな!母製のハリス。限りなく不安だ・・・・・
 「あ、切れちゃった」え、もう?本当だ。じゃもう一回。えーとこうやってああやって・・・ハイ、できた。
 「あ、また」・・・・あれ、今度はハリが外れちゃったみたい(汗)
 4つもあったハリスがあっという間に無くなっちゃったじゃん(涙)
 見るに見かねてか、今度は塩島さんが降りて来て
 「ハリがすっぽぬけちゃってるね〜こりゃ結べてなかったんだねぇ」と言いながら結んでくださった。
 今回はこういうお仕事、ないはずなのに恐縮です・・・・・。
 しかし「あれ、お母ちゃんまた切れちゃったよ」
 塩島さん「これ、ハリスの糸、どこかアッツイところに置きっ放しにしなかった?車の中とか」と言いながら再度、仕掛けを直してくださる。
 ・・・え〜と、確かに愛ちゃんにいただいて随分時は経っているが家の中にずっとあったし、最近はこれまたヒラちゃんからいただいた釣りベストの中に入れてやっぱり家の中だったし、それ以前にどういう状態にあったかはわからないが、車の中?・・・。
 (う〜んその可能性は無いとは言えない。いただいといて何ですが・大汗)
 「糸が風邪ひいちゃってるかもしれないね、あぁ、弱くなるってことだよ」とハリを06に直結。
 ありがとうございます。
 おお、仕掛けは短くなったが、今度は調子良いぞ。これで暫く行けそうです。
 
・・・・・でもなんだか、周囲がますます混んできたような・・・・なぜ?
 そうか、先週の子供と違い、オトナは移動するんだ。歩きながらチョコチョコと仕掛けを流すオジサマたち。
 ひえぇ〜、右から左から!ひっかかるよ〜〜〜〜(汗汗汗汗汗)川の中を交錯する仕掛け・・・・。
 あ、コラムスメ、今は竿を振るな!というか上から振りかぶるな!!!
 下からやろうね、そうそう・・・そ〜っと、そ〜っと・・・・・・・
 ポチャ。
 とこんな感じで暫く続けるが、子供はテンションが下がってきた様子。
 ここでちょっと休憩だ。
 さて、どうしよう。
 川べりの玉ねぎ袋の中には8匹のヤマメ。

 『もう、いいや』と思ってしまった。もうやめようか。
 なんだかすご〜〜く疲れた・・・・・・(これは気疲れって言うんだろうか)
 この前は子供も楽しんで、釣りをしない私もそれなりに楽しかった。
 今日も前回と同じように釣れて、でも私は楽しくなかった。

 自分が釣らなかったからか、何故なのかよくわからない。でも、「人疲れ」だけじゃない気がする。

 放流したあとの川は今日の川のように、最初のうちなら当たり前みたいに釣れるのかな。
 今日も一時間もしないうちに、大きなクーラーをヤマメで一杯にしていた人もいた。
 せっかくプレゼントして貰った貴重な一日。
 それなのに、今日は何故かもうお腹がいっぱい。
 それでも子供に聞いてみる。
 「川が空いて来たから、まだやる?」
 「もういいや、帰ろ。」
 実はアカシア花粉症で川でずっとハナをかんでいた子供・・・目もハレて細くなっている。
 河原と言えばアカシア。そんな場所で遊んでしまったのだから無理も無い。

 夕方まで遊んでしまった前回と比べて今日は時間もたっぷりあるので、ハラワタを出したヤマメは冷蔵庫でじっくり乾燥。
 この冷蔵庫乾燥法はヒラちゃんに教えて貰ったんだけど、じっくり、よく焼き気味が好きな私には魚から余分な水気が飛んで、好みの塩焼きができる。

 いただいた独活の天ぷらとヤマメの塩焼きで、日本酒を少々、いただきながら考える。
 釣りってなんだろう。釣れた魚を売るのでなければ遊びなんだろう。
 そして川の中から魚を引っ張り出す瞬間はとても面白いんだろう。
 釣れ続ければなおのこと、『もっと』その魚の引きやタモに入れる瞬間を味わいたくなるんだろう。

 私は山の物を食べるのが好きだし、川の魚を食べるのも好きだ。
 今日釣った魚は川で釣ったけれど、養殖場で育った魚だ。
 そして釣り上げた8匹はわが家の夕食には多すぎる。

 生きる為に、食べる為に「釣り」をする訳ではないから、私たちがやろうとしている釣りは、魚の命で遊ぶこと。
 それなら私は、一匹を釣るために一生懸命釣りをしたほうが良い。
 そしてその簡単に釣れない一匹は、子供にも何かを感じさせてくれるんじゃないだろうか。

 しかし何事もやってみなけりゃわからない。
 普段から言っているように、人間の考え方なんて日々変わるもんである。
 次に釣りに行ったとき私が何を考えているのかなんて、わからない。
 「釣れている」のが前提の『もっともっと!』なんて日が来る確立が限りなく0に近いこと位は想像はつくが。

 川遊びから卒業後の『釣り人への道』は、相変わらず、果てしなく遠い親子である。

川で遊ぼう
じねんのことはり